中絶後にうつや精神不安定を感じたら【涙が止まらない・眠れない方へ】

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中絶後に涙が止まらない、眠れない、自分を責めてしまうなどの変化があると「この状態はいつまで続くのだろう」と不安になる方もいるでしょう。

中絶後は、身体の回復だけでなく、気持ちを受け止める時間も必要です。周囲に話しにくい内容だからこそ、誰にも言えずに苦しさが大きくなることもあります。

この記事では、中絶後に起こりやすい心の不調や、つらいときの過ごし方、受診や相談を考える目安について解説します。

中絶後のうつや精神不安定の状態とは

中絶後の心の不調は、気分の落ち込みだけでなく、睡眠や食欲、考え方の変化として表れる場合があります。まずは、自分の状態を責めずに整理できるよう、よくみられる心身のサインを解説します。

涙が止まらない・気分が落ち込む

中絶後に涙が止まらない、理由もなく気分が沈むといった変化が出る方もいます。悲しみ、後悔、安心感、罪悪感など、複数の感情が重なると、自分でも気持ちを説明できなくなる場合があるためです。

手術が終わっても、心まですぐに落ち着くとは限りません。涙が出る自分を責めず、「今は気持ちが揺れている時期」と受け止めてよいでしょう。

眠れない状態が続く

中絶後に布団に入っても眠れない、夜中に何度も目が覚める、朝早く起きてしまう方もいます。手術後の体調不良や不安が重なると、眠る前に考えごとが増えるためです。

睡眠が不足すると、日中の集中力や判断力にも影響します。眠れない日が続くときは、睡眠時間や目覚めた回数を記録しておくと、受診時に状態を伝えやすいでしょう。

食欲が湧かない

中絶後の精神不安定は、食欲の変化として表れることもあります。

食べる気が起きない、食事の味がわからない、少し食べただけで気持ち悪くなる場合は、心と身体の疲れが重なっているのかもしれません。普段どおりの食事が難しいときは、消化のよいものや水分を少しずつ取りましょう。

食べられない日が続くなら、体調面も含めて確認が必要です。

自分を責めてしまう

中絶後に「自分が悪い」「もっと違う選択ができたのでは」と考え続けてしまう方もいるでしょう。ただ、中絶に至る背景には、体調、生活環境、経済面、人間関係など、さまざまな事情があります。

ひとつの感情だけで自分を責め続ける必要はありません。罪悪感や後悔が頭から離れないときは、考えを整理するために、紙に書き出したり第三者に話したりする方法もあります。

中絶後に心が不安定になりやすい理由

中絶後に心が不安定になる背景には、感情面だけでなく、体調や周囲との接し方も関係します。

自分の弱さと決めつけないために、心の負担が強くなる理由を解説します。

気持ちの整理が追いつかない

中絶は、妊娠の確認から受診、手術、術後の生活までが短期間で進むことがあります。そのため、出来事を振り返る余裕がないまま日常に戻り、後から悲しみや不安が出てくる場合もあるでしょう。

手術が終わったあとに感情が揺れるのは、気持ちが遅れて反応している状態とも考えられます。すぐに結論を出そうとせず、心の整理にも時間がかかるものとして受け止めましょう。

周囲に話せず一人で抱え込んでいる

中絶後のつらさは、家族や友人、職場の人に話しにくいと感じる方も少なくありません。「責められるかもしれない」「理解されないかもしれない」と考えるほど、気持ちを外に出せなくなります。

誰にも話せない状態が続くと、同じ不安や後悔を頭の中で繰り返してしまうこともあります。孤立感が強いときは、医療機関や相談窓口に話してみるのも一つの選択肢です。

体調不良や痛みが不安を強めている

中絶後は、出血、腹痛、だるさ、頭痛などの身体症状が残る場合があります。体の違和感があると、「何か異常があるのでは」と考え、心の緊張も高まりやすい状態です。

特に、痛みや出血が続いていると、気持ちを落ち着ける余裕を持てないこともあります。身体面の不安がある場合は、術後の経過として問題ない範囲かどうかを、手術を受けた医療機関で確認しましょう。

中絶後に心がつらいときの過ごし方

中絶後に心がつらいときは、無理に元の生活へ戻そうとするより、負担を減らす工夫が必要です。

ここでは、気持ちを少しでも守るためにできる過ごし方を紹介します。

無理に前向きになろうとしない

中絶後につらい気持ちがあると、「早く忘れなければ」「前向きにならなければ」と考えてしまう方もいるでしょう。しかし、感情を急いで整理しようとすると、かえって苦しさが残る場合があります。

悲しい、苦しい、迷いがあると感じるのは、心が大きな出来事を受け止めている途中だからです。今すぐ元気になろうとせず、今日は休む、今日は泣くなど、その日の状態に合わせて過ごしましょう。

身体をきちんと休める

心の不調があるときほど、身体の休息も欠かせません。中絶後は、見た目には普段どおりに見えても、身体は回復の途中です。睡眠、食事、水分補給をできる範囲で整え、予定を詰め込みすぎないようにしましょう。

仕事や家事を普段どおりこなそうとすると、疲れから不安や落ち込みが強まることもあります。休むことは甘えではなく、回復に向けた必要な時間です。

信頼できる人に気持ちを話す

気持ちを言葉にできないまま過ごしていると、不安や後悔が頭の中で膨らむことがあります。信頼できる友人や家族、パートナーには、すべてを説明しようとしなくても構いません。

「今は一人でいるのがつらい」「話を聞いてほしい」と短く伝えるだけでも、孤独感が和らぐきっかけになるでしょう。身近な人に話せない場合は、医療機関や相談窓口など、守秘義務のある相手を選ぶ方法もあります。

SNSや検索から離れる時間を作る

中絶後に不安が強いと、SNSや検索で体験談を何度も見てしまうことがあります。しかし、他人の経験や強い言葉に触れ続けると、自分の状況と重ねて苦しくなる場合があります。

情報を集めること自体は悪いことではありませんが、心が疲れているときは距離を置く時間も必要です。検索する時間を決める、寝る前はスマートフォンを見ないなど、心を刺激しすぎない工夫を取り入れましょう。

中絶後のうつや精神不安定で受診を考える目安

中絶後の心の不調は、時間とともに落ち着く場合もあります。ただし、つらさが長引く、生活に影響している、自分を傷つけたい気持ちがある場合は、早めの対応が必要です。

ここでは、受診を考える目安を解説します。

眠れない日が数週間続いている

数日眠れない程度であれば、疲れや環境の変化が関係していることもあります。

しかし、眠れない状態が数週間続く、日中も強いだるさがある、気分の落ち込みが増している場合は、受診を考えてよい状態です。

睡眠の乱れは、心身の回復にも影響します。市販薬や睡眠薬を自己判断で使う前に、心療内科や精神科、かかりつけ医に状況を伝えましょう。

日常生活に支障が出ている

仕事や学校に行けない、家事ができない、人と会うのがつらい、入浴や食事も負担に感じる状態が続く場合は、心の負担が大きくなっているサインです。

中絶後の精神不安定は、気合いだけで乗り越えるものではありません。日常生活への影響が出ているなら、休養の取り方や今後の過ごし方を専門家と一緒に整理する段階です。

早めに動くことで、必要な支援につながれるでしょう。

消えたい・傷つけたい気持ちがある

「消えたい」「自分を傷つけたい」「生きているのがつらい」と感じる場合は、緊急性の高いサインです。

その場で信頼できる人に連絡する、救急相談に電話する、夜間対応の窓口を使うなど、今すぐ安全を確保する行動を優先しましょう。こうした気持ちは、あなたの性格や弱さではなく、心が限界を知らせている状態です。

一人で判断せず、外部の支援を頼る必要があります。

出血や腹痛など体の異変もある

中絶後の不安が強いときに、出血や腹痛、発熱、強いだるさなどの身体症状もある場合は、手術を受けた産婦人科へ連絡しましょう。

身体の異変がある状態で心の不調だけに注目すると、必要な対応が遅れるおそれがあります。出血量が多い、痛みが強い、発熱があるなど、普段と違う症状がある場合は早めの確認が必要です。身体面の安全を確認することも、心の安心につながります。

中絶後のうつや精神不安定で受診を考える目安

中絶後のうつや精神不安定は、相談先をひとつに絞る必要はありません。身体の不安、心の不調、生活面の悩みなど、困っている内容に合わせて相談先を選べます。

ここでは、主な相談先を紹介します。

手術を受けた産婦人科に相談する

出血や腹痛などの身体症状がある場合や、術後の経過に不安がある場合は、手術を受けた産婦人科に状況を伝えましょう。

中絶後は、体調の変化と心の不安が重なることがあります。医師に身体の状態を確認してもらうことで、「様子を見てよい症状なのか」「再診が必要なのか」を判断できます。

身体面の不安が整理されると、心の負担が少し軽くなる場合もあるでしょう。

心療内科や精神科を受診する

眠れない、涙が止まらない、自分を責め続ける、日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科への受診も選択肢です。

心の症状は、我慢していれば必ず落ち着くとは限りません。

医師に状態を伝えることで、休養の取り方、カウンセリング、薬の使用などを含めて、今の状態に合う対応を検討できます。受診時は、症状の始まりや睡眠、食欲の変化をメモしておくと役立ちます。

自治体や女性相談窓口を利用する

身近な人や医療機関に話しにくい場合は、自治体の女性相談窓口、妊娠に関する相談窓口、こころの相談窓口を利用する方法があります。電話やSNSで相談できる窓口もあり、匿名で話せる場合もあります。

医療のことだけでなく、生活、家族、パートナーとの関係、仕事や学校の悩みを整理したいときにも役立つでしょう。話す場所を変えることで、次に取る行動が見えやすくなります。

中絶後のうつや精神不安定に関するよくある質問

中絶後の心の不調には、「いつまで続くのか」「自分だけなのか」「仕事や学校は休んでよいのか」など、周囲に聞きにくい疑問が多くあります。

ここでは、よくある不安に回答していきます。

中絶後の精神不安定はいつまで続きますか?

中絶後の精神不安定が続く期間には個人差があります。数日から数週間で少しずつ落ち着く方もいれば、悲しみや罪悪感、不安が長く残る方もいます。

その期間だけで「問題ない」「問題がある」と判断するのは難しいため、生活への影響もあわせて考えましょう。眠れない、食べられない、仕事や学校に行けない状態が続く場合は、専門家に今の状態を整理してもらうことも大切です。

中絶後にうつになる人は多いですか?

中絶後に強い落ち込みや不安を感じる方はいますが、すべての人がうつ病になるわけではありません。気持ちの反応は、妊娠に至った状況、周囲のサポート、体調、過去の経験などによって異なります。

「みんな平気なのに自分だけおかしい」と考える必要はありません。涙が止まらない、眠れない、自責感が強い状態が続く場合は、うつ状態に近いサインとして受診を検討しましょう。

パートナーにわかってもらえないときはどうすればいいですか?

パートナーに気持ちを理解してもらえないと、孤独感や怒り、悲しみが強くなることがあります。まずは「責める」のではなく「今つらい状態を知ってほしい」と伝える形にすると、話し合いの入口を作れるでしょう。

ただし、相手が話を聞かない、支配的な態度などを取る場合は、無理に二人だけで解決しようとしないようにしましょう。医療機関、相談窓口、信頼できる第三者を交えて考える方法もあります。

中絶後の心の不調は一人で抱え込まず相談しよう

中絶後にうつのような落ち込みや精神不安定を感じても、それは自分が弱いからではありません。

手術後は身体が回復している途中であり、気持ちの整理にも時間が必要です。つらい状態が続く場合は、我慢だけで乗り切ろうとしないようにしましょう。身体の症状があるときは手術を受けた産婦人科、心の不調が続くときは心療内科や精神科、生活や人間関係の悩みがあるときは自治体や女性相談窓口など、状況に合わせて相談先を選べます。

特に「消えたい」「自分を傷つけたい」と感じるときは、今すぐ助けが必要な状態です。一人で抱え込まず、早めに相談しましょう。

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監修医師
赤松 敬之
赤松 敬之
医療法人星敬会 西梅田シティクリニック 理事長
平成25年3月 近畿大学医学部卒業。平成26年4月から済生会茨木病院にて内科、外科全般の研修を行う。平成28年4月より三木山陽病院にて消化器、糖尿病内科を中心に、内視鏡から内科全般にわたり研鑽を積みながら勤務。「何でも診る」をモットーに掲げる病院での勤務の中で、働き世代の忙しい方が通いやすいクリニックを目指し、令和2年9月西梅田シティクリニック開設。
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