中絶の知識

最短で中絶手術を受けられるのは、いつから?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

妊娠中絶を検討していて、いつから中絶手術が受けられるか知りたいと考える方がいるのではないでしょうか。本記事では、妊娠中絶の手術が受けられるタイミングや手術の流れ、よくある質問について紹介しています。

妊娠中絶に関する理解を深め、適切なタイミングで後悔のない手段を選択しましょう。

最短で妊娠中絶の手術を受けられるタイミングとは

最短で妊娠中絶の手術を受けられるタイミングは、胎嚢の中に卵黄嚢が確認できるようになる妊娠5〜6週頃です。
妊娠7〜8週頃になると、胎嚢や胎芽、心拍が確認できます。この週数は比較的手術は安全に行えます。

一方で、妊娠12週を超えると体の負担が増えるため、妊娠中絶をおこなう際は妊娠8週〜10週までに実施することをおすすめします。

妊娠中絶手術の流れ

妊娠中絶手術の流れは以下のとおりです。

  1. 予約する
  2. 来院する
  3. 検査を受ける
  4. 説明を受ける
  5. 手術を受ける
  6. 経過観察を受ける

院内スタッフや担当医師の説明をよく聞き、指示どおりに対応していきましょう。検査を経て、手術の説明を受ける際は、疑問点などが残らないように理解を深めることが大切です。

もし、不明な点や不安に思うことがあれば、遠慮なくご質問ください。

1.予約する

妊娠中絶をご希望の場合は、電話やWebで予約を入れてください。
妊娠週数が12週程度と思われる方は、手術時に12週を超えて中期中絶になる可能性があるため、予約時に申し出ておきましょう。当院では、12週を超えての中絶手術は行なっておりません。

2.来院する

来院する際は保険証を持参ください。
問診票に最終月経開始日や既往歴、妊娠歴やアレルギーの有無などを記入する必要があります。

3.検査を受ける

超音波画像診断装置の検査や内診で子宮の状況や妊娠週数の確認をおこないます。また、併せて血液や感染症の検査や、手術リスクとなる合併症の検査なども実施します。

4.説明を受ける

手術の流れ・手術方法・麻酔方法などの説明を受けましょう。説明内容に同意できたら、同意書にサインしていただきます。中絶の手術には同意書が必ず必要です。

5.手術を受ける

事前の検査等問題がなければ、手術日を決めて、決めた手術日当日に手術を実施します。所要時間は5〜10分程度です。手術後の回復ベッドで2時間程度休息すれば自分で歩けるようになりますが、車の運転はできません。

そのため、ご家族の方に迎えに来てもらうか公共交通機関を利用してお帰りください。

6.経過観察を受ける

手術してから約1週間後に術後診察を受け、子宮の回復状態を確認します。術後診察は、回復経過を確認するためにとても大切な診察となっておりますので、回復したとご自身で判断されてご来院しないことなどないようにお願いいたします。

中絶手術の所要時間はどれくらい?

WHO(世界保健機関)が推奨する子宮内膜に優しい手術である手動吸引法(MVA)であれば、所要時間はおよそ5〜 10分程度です。吸引法とは、吸引管を子宮頸管内に挿入し、子宮内の中身を吸い出す方法です。手術中は麻酔をかけるため、痛みはほとんどありません。

当院では、できるだけ負担を減らし安全を優先に考えておりますので、手動吸引法(MVA)を推奨しております。

中絶手術のよくある質問

中絶手術に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • クリニックで妊娠週数は確認できますか?
  • いつまで中絶手術を受けられますか?
  • 中絶手術後はいつから仕事復帰できますか?

妊娠週数がわからず不安な場合は、クリニックで確認できます。まずはお気軽にご相談ください。

クリニックで妊娠週数は確認できますか?

超音波画像診断装置の検査で確認できます。超音波画像診断装置の検査では、胎嚢や胎児などの大きさを確認することで、妊娠週数が算出可能です。

もし、自身で確認したい場合は、最終月経開始日を妊娠0週0日として計算してください。

いつまで中絶手術を受けられますか?

母体保護法と呼ばれる法律により、中絶手術が可能な週数は妊娠22週未満(妊娠21週6日)までと決まっています。

初期段階の中絶より、中期段階の中絶のほうが心身ともに負担がかかります。また、費用面でも大きなコストが発生しますので注意しましょう。

中絶手術後はいつから仕事復帰できますか?

初期中絶の場合は手術当日に帰宅できますが、当日のお仕事は控えて安静にしてください。また、車の運転なども控える必要があります。

経過が順調であれば、翌日から仕事に復帰できます。まずは担当の医師にご相談ください。

妊娠週数が進むと体にかかる負担も増大する?早めに受診しましょう

妊娠10週までの妊娠初期におこなう中絶であれば、比較的短時間で費用を抑えながら手術ができます。心身にかかる負担も軽減できるため、問題なければ5〜10分程度で手術は終了します。(手動吸引方(MVA)による手術の場合)

一方で、妊娠12〜21週6日までの妊娠中期におこなわれる中絶手術の場合、2日以上の日数を要し、入院が必要になるため費用も高額になるケースがあります。

心身にかかる負担も大きくなるため、中絶を迷っている方は一度LINEまたは、ご来院してご相談ください。

LINEでのご相談

監修医師
赤松 敬之
赤松 敬之
医療法人星敬会 西梅田シティクリニック 理事長
平成25年3月 近畿大学医学部卒業。平成26年4月から済生会茨木病院にて内科、外科全般の研修を行う。平成28年4月より三木山陽病院にて消化器、糖尿病内科を中心に、内視鏡から内科全般にわたり研鑽を積みながら勤務。「何でも診る」をモットーに掲げる病院での勤務の中で、働き世代の忙しい方が通いやすいクリニックを目指し、令和2年9月西梅田シティクリニック開設。
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