中絶の知識

中絶手術後、性行為はいつからできますか?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

中絶手術をしたあと、性行為がいつからできるか疑問を感じたことはないでしょうか。
中絶手術後は、身体の免疫力が低下している状態のため、医師の指示をよく聞き、感染症予防に努めなければなりません。

本記事では、中絶手術後の過ごし方について解説します。
妊娠中絶後は、正しく安全に過ごし、健康第一で過ごしましょう。

中絶手術後の性行為はいつからできますか?

手術の方法や子宮内膜の回復具合によって一概にはいえませんが、一般的に中絶後1〜2週間後に性行為が可能です。

ただし、子宮の状態が回復していないうちに性行為をおこなうと、出血や感染症のリスクが高まります
そのため、自分で判断せず、必ず医師の診察を受け、指示された期間を守りましょう。

中絶後の性行為をおこなう際は、感染症の予防および避妊するため、避妊具を正しく使用することが大切です。

万が一、性行為中に痛みや出血が生じた場合は、性行為を中断してください。

中絶後からできる?翌日のお仕事について

妊娠12週未満を対象にした初期中絶手術の場合、手術をした翌日から無理のない範囲でデスクワークや簡単な家事ができるようになります。
ただし、痛みの感じ方には個人差があり、人によっては翌日から体調の変化や腹部が強く痛むケースもあるでしょう。
もし、体調が優れない場合は無理をせず、安静に過ごしてください。

中絶手術後の生理はいつからくる?

中絶手術後、30〜50日程度で生理はきます
ただし、2ヶ月を超えて生理がこない場合、中絶の影響で、月経不順になっている可能性があります。
もし、生理がこない方がいた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

中絶すると妊娠しにくくなる?

中絶したからといって、妊娠しにくくなることは少ないです。
妊娠12週未満までの初期中絶手術は、子宮内容物をスプーンのような器具で掻き出したり、ストロー状の器具で吸引をしたりする手術です。

また、妊娠12〜22週未満の中期中絶の場合は、出産と同じような娩出方法でおこないます。

いずれにしても、卵巣や卵管に直接的な影響を与えることはありません。
もし、中絶の際に子宮口や子宮内膜が傷ついても、時間の経過とともに回復します。

また、ホルモンバランスが乱れたとしても、数週間で元のサイクルに戻るでしょう。

中絶手術後に注意すべきこと

中絶手術後は、とくに以下5点に関して注意しておきましょう。

  • 処方された薬を正しく服用する
  • 激しい運動を控える
  • 過度な飲酒を控える
  • 衛生的な生活を心がける
  • 精神的なストレスをためない

中絶手術後は、免疫力が低下し、感染症にかかるリスクがあります。
くれぐれも安静にし、身体に負担がかかることは控えるようにしましょう。

処方された薬を正しく服用する

中絶手術後は、感染症を発生させるリスクを抑えるために、抗生物質鎮痛剤が処方されます。鎮痛剤は痛みを感じる場合のみ服用すれば問題ありません。
一方で、抗生物質は処方された分をすべて飲みきりましょう。

激しい運動を控える

たとえば、重いものを持ち上げたり立ちっぱなしが続いたりすると、身体の回復が遅れる可能性があります。
そのため、中絶手術後は、最低でも1週間は激しい運動を控えてください。

医師から指定された休養期間が過ぎた後も無理をせず、徐々に身体を慣らしていきましょう。

過度な飲酒を控える

中絶手術後は、身体が回復するためにエネルギーや栄養を必要とします。
そんな中、アルコールを摂取すると、身体がアルコールの分解を優先させ、回復が遅くなるおそれが出てくるでしょう。

また、アルコールの影響により、血管が弛緩して出血量が増える可能性もあります。
子宮が元の状態に戻り、出血がない場合は飲酒できますが、過度な飲み方は控えてください。

衛生的な生活を心がける

中絶手術後は、免疫力が低下しているおそれがあるため、タンポンや同じナプキンの長時間利用などを控えましょう。

また、感染症予防のために、バスタブに浸かって入浴することも控えてください。
銭湯やサウナ、プールの利用は1ヶ月控えておきましょう。
シャワーは当日から浴びても問題ありませんが、バスタブに浸かる場合は約1週間時間をあけてください。

精神的なストレスをためない

精神的なストレスがたまると、免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれがあります。
中絶手術後は、なるべくストレスがかからないよう、自分の趣味の時間や安静にする時間を確保しておきましょう。

中絶手術を繰り返さないためには

中絶手術を繰り返さないためには、望まない妊娠をしないことです。
自身が妊娠の願望をもっていなかったり、相手が妊娠を望んでいない場合は、必ず避妊をしましょう。

万が一、望まない妊娠をした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
中絶手術は、初期であれば、比較的心身に負担をかけず実行できます。

一方で、中期の中絶手術の場合は、心身にかなりの負担がかかるだけでなく、金銭的な負担ものしかかってきます。

性行為をする際は、相手と話し合ったうえで避妊の判断をしましょう。

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監修医師
赤松 敬之
赤松 敬之
医療法人星敬会 西梅田シティクリニック 理事長
平成25年3月 近畿大学医学部卒業。平成26年4月から済生会茨木病院にて内科、外科全般の研修を行う。平成28年4月より三木山陽病院にて消化器、糖尿病内科を中心に、内視鏡から内科全般にわたり研鑽を積みながら勤務。「何でも診る」をモットーに掲げる病院での勤務の中で、働き世代の忙しい方が通いやすいクリニックを目指し、令和2年9月西梅田シティクリニック開設。
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