中絶手術の翌日から仕事はできる?術後の体の変化と対処
「中絶手術の翌日から仕事はできる?」
仕事が忙しい状況で中絶手術を受けた女性のなかには、このような疑問を感じる方がいるのではないでしょうか。
中絶手術は体に負担がかかるものであるため、術前に起こりうるリスクや症状を把握することが大切です。
本記事では、中絶手術後の体の状態について解説します。
術後、スムーズに仕事復帰できるよう、適切な処置を受け、安静に過ごしましょう。
中絶後の体の状態
中絶手術の費用は手術費用だけでなく、検査費や診察費、投薬量などが発生します。
これから中絶を検討している方は、各費用を事前に把握しておきましょう。
痛み
中絶手術後は、子宮が収縮し始め、妊娠前の状態に戻ろうとする過程で数日間〜1週間生理痛のような痛みが続く場合があります。
麻酔覚醒後、すぐに痛みが起こる場合は、痛み止めの点滴を受ける場合があります。
十分な量の痛み止めをしておけば、帰宅後も問題なく過ごせるでしょう。
出血・悪露(おろ)
中絶手術を終えると、出血や悪露(おろ:出産後、子宮が元の状態に戻る際に出る分泌液)が7〜10日間続く場合があります。
出血量には個人差があり、生理2日目程度の出血が続く方や、ほとんど出血がみられない方など、さまざまなパターンがあります。
出血が多めにみられたとしても、数日経過すると少なくなるケースがほとんどです。
おりものに混じるような茶褐色の出血が2週間続き、その後微量になったあと月経を迎える場合もありますが、出血量が少量であれば心配する必要はありません。
頭痛・めまい・ふらつき
とくに麻酔が効きやすい方にみられる症状です。
覚醒後、30分程度で治まるため、心配する必要はありません。
めまいやふらつきがある方は、症状が治まるまで安静にしておきましょう。
決して手術後に運転したり、外を出歩くことがないようにしてください。
手術後は、友人やご家族に迎えに来てもらいましょう。
中絶手術後の合併症
中絶手術後は、ごくまれに以下の合併症が起こる可能性があります。
確率はかなり少ないものの、万が一に備えて説明を受けておく必要があります。
感染症
中絶手術により子宮頚管が拡張している場合、通常時よりも感染症にかかりやすくなります。
とくに患者さんがもともとクラミジアに感染していた場合、中絶手術によって骨盤腹膜炎などを併発する可能性があるでしょう。
そのため、医療機関では、クラミジア陽性の患者さんに対しては術前に抗菌剤を処方します。
感染症にかかると、発熱や子宮の痛み、白血球の急激な上昇が起こります。
場合によっては、抗生物質の投与をおこなう必要があるでしょう。
子宮頸管損傷
子宮頸管損傷は、子宮頸管拡張によって起こる合併症です。
手術後に症状がなくても、次回の妊娠で子宮頚管無力症となって出現する場合があります。
リスクを減らすため、世界保健機関(WHO)や日本産婦人科医会からは術前処置が推奨されているのが特徴です。
絨毛遺残
絨毛遺残とは、中絶手術で完全に取り除く必要がある組織を一部取り残してしまう状態です。
とくに子宮腔内が圧迫されたり、変形したりしている場合などに起こりやすいとされています。
絨毛遺残は、術前の超音波検査による評価や術後の遺残の確認、術後検診によって防止できます。
子宮穿孔
子宮穿孔とは、子宮壁に穴があく合併症です。
訓練を受けた医師であれば、問題なく穿孔することなく手術が終了するため、まず起こることはありません。
手術後すぐに仕事に復帰しても大丈夫?
中絶手術を受けた場合、基本的に当日は安静して過ごすようにしてください。
術後の経過が問題ない場合は、翌日から仕事に復帰している方もいます。
とくに、腹痛や発熱、過度の不正出血などがみられない場合は、デスクワークなどの負担がすくない仕事に限り問題ないとされる場合があります。
どうしてもいち早く仕事復帰する必要がある方は、担当の医師に相談しましょう。
中絶手術後は安静にして体調を回復させよう
手術後は、体が受けたダメージが回復していない場合があるため、安静に過ごしてください。
入浴については、感染予防の観点で湯船に浸かることはできません。
シャワーのみ可能です。
また、性交渉は術後2週間控えるようにしましょう。
術後、体調不良になった場合は、速やかに医療機関を受診してください。