中絶の知識

これってデートDV?彼氏が避妊してくれない場合どうすればよい?

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「パートナーから差別的かつ暴力的な言動受けているが誰にも相談できない」
このような悩みをもつ女性がいるのではないでしょうか。

自分ではDVを受けていると認識していなくても、実はデートDVに該当するケースは多く存在します。
本記事では、デートDVの具体的な内容や現状、被害者が知っておくべき心構えについて解説します。
どうにも解決できず苦しい状況が続いたら、決して無理をすることなく、自分の身体を守ることに専念してください。

デートDVとは

デートDVには、身体的な暴力と精神的な暴力の2種類が挙げられます。
身体的な暴力としては、蹴る・殴る・叩く・つねる・髪の毛を引っ張るなどの行為があります。
たとえ、恋人や配偶者などの親密な関係であっても、これらの行為は絶対に許されません。

身体的な暴力

暴力をふるう加害者は、しつけや愛情という目的で都合のいい言い訳をしてくるケースがありますが、断じて受け入れてはなりません。
いかなる理由があろうとも、身体を傷つける行為は暴行に該当し、怪我が生じると傷害罪にあたります。
くれぐれも自分に責任があると解釈し、自身に非があると認識してはいけません。
暴力をふるう時点で加害者には愛がないことを認識してください。

精神的な暴力

精神的な暴力としては、「お前はなんでそんなに馬鹿なのか」「お前は本当にダメなやつだな」のように人格否定する行為が挙げられます。
大声で怒鳴ったり、無視をしたりといった行為も該当します。
また、暴言がなかったとしても、個人的な人間関係を制限したり、スマートフォンを細かくチェックしたりといった行為も精神的な暴力となるでしょう。

相手の言動が、本当に自分のためを思ったものなのか、客観的な視点で見つめ直すことが大切です。

デートDVによる望まない妊娠

デートDVによる望まない妊娠が起こっているのをご存知でしょうか。
文部科学省が公立高校における妊娠を理由とした退学などに関わる調査をおこなったところ、妊娠の事実を学校が把握した生徒数はたった2年間で2,098人いたと報告されています。
この背景として、当事者がデートDVを受けていることがわかっています。

たとえば、14歳以下の妊娠理由としては、大人の暴力や搾取が関係していることが指摘されました。
また、10代の妊娠では、誰にも相談できない事態から出産を選ばざるを得ないケースや相手への依存から出産を選択するケースなどがあります。

こんな彼氏とは今すぐ別れて

もし、あなたの身近にいるパートナーの言動が以下に該当する場合は、迷わず距離をとることをおすすめしますので、チェックしてみてください。

性について

  • 性行為を強要する
  • 裸の写真を送るよう命令する
  • 無理やり体を触ろうとする
  • 避妊に協力しない
  • 無理やり卑猥な画像や動画を見せる

態度について

  • 急に怒ったり優しくなったりを繰り返す
  • 暴力後に「ごめん」「もうしないから」といった言葉をかけるが再び暴力をふるう
  • 自分の好みの髪型や服装などを強要する
  • 無視し続ける

金銭関係について

  • デートの費用を全額払わせる
  • 借りたお金を返さない
  • アルバイトをさせてお金を巻き上げる
  • 値段の高いものを買わせる
  • 借金をさせる

友人関係について

  • 友人との関係を絶つような言葉をかけてくる
  • 他の異性と話すなと言ってくる
  • やりたいことをさせてもらえない
  • 自分とのデートのために他の予定をキャンセルさせる

言葉について

  • 精神的にダメージが残る言葉を言い放つ
  • 大声で怒鳴る
  • 容姿や体型について差別的な発言をする
  • 他責思考で責める

デートDVを受けた場合の相談先

「誰にも相談できずに苦しい」
デートDVを受け、このように悩んでいる方はデートDV110番を利用してください。
デートDV110番では電話やLINEなどの手段を選び、匿名で相談することが可能です

また、デートDVを受けているつもりがなかったとしても、客観的な視点で考えると、DVに該当するケースが多く存在します。
相手の言動によって、自分の心や体が傷ついていないか今一度チェックしてみてください。
万が一、DVに該当すると判断した場合は、決して一人で悩まずに身近な友人や家族に助けを求めましょう。

以下のサイト内でWi-Fi電話を利用すれば、電話代はかかりません。
どうしても周りの人に相談ができない場合は、デートDV110番を利用してください。

自分の身を守る手段として緊急避妊法も知っておきましょう

望まない妊娠の危機を感じた場合、緊急避妊方法を知っておくことも今後自分自身を守る手段となります。
妊娠を望まない場合は適切な避妊方法を選択するにあたって、低用量ピル避妊リング(ミレーナ)がおすすめです。
アフターピルであれば、性交渉後3日以内に服用する必要があります。
また、子宮内避妊具(IUD)であれば5日以内に実施しなければなりません。
避妊率は100%にはなりませんが、高い確率で望まない妊娠を防止することが可能です。
しかし、性交渉から時間が経過するほど妊娠を阻止できる確率が下がるため注意が必要です。
詳しく知りたい方、相談したい方は、医療機関を受診し、担当の医師に相談しましょう。

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監修医師
赤松 敬之
赤松 敬之
医療法人星敬会 西梅田シティクリニック 理事長
平成25年3月 近畿大学医学部卒業。平成26年4月から済生会茨木病院にて内科、外科全般の研修を行う。平成28年4月より三木山陽病院にて消化器、糖尿病内科を中心に、内視鏡から内科全般にわたり研鑽を積みながら勤務。「何でも診る」をモットーに掲げる病院での勤務の中で、働き世代の忙しい方が通いやすいクリニックを目指し、令和2年9月西梅田シティクリニック開設。
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