中絶の知識

これは生理?着床出血?妊娠の見分け方と、予期せぬ妊娠への対応について

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

「これは生理?それとも着床出血?」
このように不安になる女性がいるのではないでしょうか。
誰にも相談できず、不安な日々が続くこともあるかもしれません。

本記事では、生理と着床出血の違いについて解説します。
また、着床出血以外で出血するケースについても触れます。

出血が生じたら、慌てることなく、速やかに医療機関を受診してください。
そのうえで主治医の判断を仰ぎ、適切な処置・治療を受けましょう。

気になることがあれば気軽に医師へ相談してください。

生理と着床出血の違いや見分け方

生理の経血と妊娠による着床出血は似ています。
なぜなら、いずれも数日間にわたって出血が続き、赤に近い色をしており、腰痛や腹痛などの痛みも加わるため、見分けがつきにくいとされています。

とくに、性行為があった場合、着床出血も生理も3~4週間後に起こるため、余計に判別がつきづらくなります。しかし、見分けがつかないままだと、中絶の判断をするときに手遅れになる可能性があるため、生理と着床出血のそれぞれの特徴を知り、ある程度の見分けをつけておくことも大切です。

生理着床出血
赤、暗赤色赤、暗赤色、ピンク、茶色、赤色など
多い(血の塊が出ることもある)少ない(血の塊は出にくい)
タイミング生理予定日生理予定日の前後
期間約4~7日約1~5日
腹痛の程度人によって激しく痛むことがあるお腹が軽くチクチクする程度
その他の症状腰痛、下痢、頭痛、憂鬱感乳房の張り、頻尿、つわり、疲労感

妊娠超初期に着床出血以外で出血することは?


妊娠超初期に着床出血以外で出血するケースは以下のとおりです。

初期流産

初期流産とは、妊娠12週未満で生じる早期の流産です。
初期流産のほとんどの原因は、胎児の染色体異常だとされています。
出血量は、個人差があるでしょう。

切迫流産

切迫流産とは、妊娠22週未満で流産の一歩手前の状態です。
流産はしていないものの、いつ流産してもおかしくない状態を指します。
出血の量は個人差があります。

子宮外妊娠

子宮外妊娠は異所性妊娠とも呼ばれており、受精卵が子宮ではない場所に着床した状態です。
初期段階では着床出血と同じくらい少量の出血で済みます。
しかし、時間が経つと大量出血を起こすこともあるため、注意しなければなりません。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)は、絨毛膜と子宮内膜の間に着床出血が溜まり、血の塊ができた状態です。
基本的に出血量が生理のときよりも少なければ心配する必要はありません。
一方で、持続的に出血したり妊娠中期を過ぎても出血が続いたりする場合は、速やかに対処しなければなりません。

胞状奇胎

胞状奇胎とは、子宮内につぶつぶが複数発生する疾患です。
性器から出血したり、重度の吐き気や嘔吐が起こったりします。

出血が起きたらどうしたらいい?

出血が起きた時に生理か着床出血か見分けがつかない場合は、妊娠検査薬を使用してください。
通常の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から、早期妊娠検査薬は生理予定日から検査可能です。

予定よりも早い段階で検査をすると、正しい結果が出ないことがあるため、おすすめしません。そのため、きちんとタイミングを守って使用してください。
陽性判定が出れば着床出血、出なければ生理の可能性が高いと判断できます。

出血した際、おりものシートに収まるくらいの出血量であれば、あまり心配する必要はありませんが、婦人科を受診するのが安心といえるでしょう。
とくに、出血量があまりに多い場合や、明らかに生理と違う出血の場合は婦人科の受診を検討してください。
受診するときは、出血の色や量、形状などを詳しく伝えられるようにしておくことが大切です。

状況によっては至急処置が必要なこともあります。
もし受診するべきか迷っている場合は、かかりつけの婦人科に電話して指示を仰ぐことをおすすめします。

予期せぬ妊娠の場合、中絶手術ができるタイミングは?

中絶手術ができるのは妊娠22週未満(21週と6日目まで)となります。
母体保護法により、22週を越える人工中絶は禁止されています。

妊娠週数は、最終の生理開始日を0週0日とし、妊娠40週0日が出産予定日となります。
妊娠の疑いがある方や中絶するか悩んでいる方は、一度当院へご相談ください。
当院は妊娠10週未満の方のみの対応となるため、お早めにご来院ください。

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監修医師
赤松 敬之
赤松 敬之
医療法人星敬会 西梅田シティクリニック 理事長
平成25年3月 近畿大学医学部卒業。平成26年4月から済生会茨木病院にて内科、外科全般の研修を行う。平成28年4月より三木山陽病院にて消化器、糖尿病内科を中心に、内視鏡から内科全般にわたり研鑽を積みながら勤務。「何でも診る」をモットーに掲げる病院での勤務の中で、働き世代の忙しい方が通いやすいクリニックを目指し、令和2年9月西梅田シティクリニック開設。
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