中絶手術後、日常生活は問題なく送れる?術後の体調と適切な対処法

中絶手術を受けた女性の中には、日常生活に支障が出ないか不安に思う方がいるのではないでしょうか。
仕事やプライベートに影響が出てしまうことに不安を覚える方もいるでしょう。
本記事では、中絶手術後に起こる症状や日常生活で注意すべきことについて解説します。
中絶手術を受けたあとは、リスク管理を徹底し、安静に過ごしましょう。
ひどく体調を崩したり、症状が長引いたりする場合は医療機関を受診してください。
中絶手術後の体調と日常生活の変化

中絶手術後は、数日から1〜2週間程度で出血や腹痛、発熱などの症状が出る場合があります。
また、中絶後は生理のタイミングが異なるケースがあります。
一般的に生理が再開するのは、術後1〜2ヶ月後です。
また、生理の際はこれまでの生理と異なり、痛みや経血の色などが異なることがあります。
多くの場合は心配する必要はありませんが、大量の出血や激しい腹痛、全く生理が来ないといった現象がある場合は、速やかにクリニックを受診してください。
手術後に体に現れる主な変化とその影響
中絶手術を受けると、体にさまざまな変化が起こる可能性があります。
起こりうる主な変化は、以下のとおりです。
痛み
術後1週間程度は、ひどい生理痛のような腹痛が起こる場合があります。
この痛みは、妊娠によって広がった子宮が元に戻ろうと収縮するために生じます。
腹痛がひどい場合、市販の生理痛用の鎮痛剤で改善することがほとんどです。
しかし、立てないほどの痛みや熱がある場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
出血
吸引法で手術すると、手術の翌日から出血量は減少し、1〜2週間程度で和らぎます。
出血している間は、タンポンではなく、生理用ナプキンを使用し、定期的に取り替えることが大切です。
血液の色や出血量は個人差があり、生理2日目のような鮮血が出たり、おりもののような茶色い血液が出たりするのが特徴です。
大量の出血がみられたり、出血が3週間以上続いたりした場合は、医療機関を受診してください。
吐き気
麻酔が効きやすい方の場合、中絶手術後に数分間ムカムカすることがあります。
個人差があるため、全く吐き気を感じない方もいますが、30分程度吐き気が続くこともあります。
吐き気を感じる間は、飲食を控えておきましょう。
発熱
中絶手術後、発熱することがあります。
しかし、ほとんどの場合は1〜2日程度で治まるケースが多いとされています。
38度以下の発熱が5日以上続く場合や、38度以上の発熱が3日以上続く場合は、医療機関を受診してください。
精神不安定(中絶後遺症候群)
中絶手術を受けた方の中には、精神状態が不安定になり、PTSD(心的外傷ストレス障害)を発症するケースがあります。
とくに、中絶がきっかけで起こるPTSDを中絶後遺症候群(PAS)と呼んでいます。
精神的に立ち直れず、涙が止まらないといった方は医療機関を受診し、ケアをすることが大切です。
手術翌日からの仕事や家事は可能?日常生活に支障はないか

中絶手術後、翌日から仕事ができるかどうかについては初期中絶か中期中絶かによって異なります。
初期中絶(妊娠12週未満)は、日帰りで行えるため、身体への負担が比較的少なく、翌日以降も普段どおりに仕事ができる場合が多いです。
ただし、仕事内容によっては無理をしない方がよい場合もあるため、医師に相談することをおすすめします。
一方で、中期中絶(妊娠12週以降)は体への負担が大きく、手術後は数日間の安静が必要です。
初期中絶と比べて体にかかる負担が大きいため、手術後数日間は安静にする必要があります。
そのため、仕事復帰のタイミングについては医師と相談し、慎重に判断しましょう。
また、術後は経過観察のための診察が必要となるため、必ず医療機関で検診を受けてください。
術後の生活習慣で気をつけるべきこと

中絶手術後は、以下の点に注意して生活しましょう。
- 飲酒を控える
体の回復を妨げる可能性があるため、しばらくはお酒を控えましょう。 - 入浴を控える
手術当日は入浴を避け、安定するまではシャワーのみにしてください。 - 生理の変化
術後は生理周期が乱れることがあり、2〜3ヶ月ほど生理が来ないこともありますが、多くの方はその後、元の周期に戻ります。 - 性交渉の再開
体調が順調に回復すれば、術後1〜2週間で可能ですが、術後2週間を過ぎると妊娠の可能性があるため、適切に避妊をしましょう。
術後の異常な症状が出たら
中絶手術後には、出血や痛み、吐き気、発熱などの症状が現れることがあります。
ほとんどの場合は一時的なものですが、下記の異常が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 出血が長く続く
- 強い痛みがある
- 吐き気や発熱が治まらない
- 体調がどんどん悪化する
体調の変化に注意を払い、無理をせず適切なケアを心がけましょう。