中絶手術は遅くなると体に影響はある?

これから中絶手術を検討している方の中には、手術が遅くなることによって起こる体への影響を心配する方もいるのではないでしょうか。
とくに、体力的なリスクや精神的なリスクについて気になる方もいるでしょう。
本記事では、中絶手術が取り扱い可能な期間や手術に伴って起こりえるリスクについて解説します。
後悔のない選択をするためには、正しい知識を身につけることが大切です。
焦らずに、しかしできるだけ早い段階で考え始めることを心に留めておきましょう。
中絶手術とは
中絶手術は母体保護法によって規定された手術で、胎児が母体外で生活できない段階で人工的に妊娠を中断させ、母体外に出す手術です。
中絶手術は妊娠した方の個人的な状況や事情により選択されます。
受診時期が早いほど、母体にかかる負担やリスクが少なくなります。
中継手術が可能な期間
中絶手術は、妊娠週数によって手術の方法が変わります。
初期中絶手術(妊娠11週6日目まで)
初期中絶手術は胎嚢と呼ばれる胎児を包む袋のようなものを超音波検査で確認のうえ手術をおこないます。
胎嚢が確認できるのは妊娠5週目頃です。
妊娠4週目頃になると生理がこないタイミングになるため、この時期に妊娠したことに気づく方が多いです。
初期中絶手術は吸引法と呼ばれる比較的体に負担がかからない方法でおこなわれます。
また、日帰りで手術が受けられ、費用面でも負担が少ないのが特徴です。
役所への届出も不要であり、精神的な負担も抑えやすいといえます。
中期中絶手術(妊娠12〜22週未満)
中期中絶手術では、2〜3日の入院が必要であり、体にかかる負担が多くなります。
術前には、子宮口を開く処置を実施し、人工的に陣痛を起こし流産させる流産処置をおこなわなければなりません。
個人差はあるものの、非常に強い痛みを伴います。
また、死産届や死産証書が必須であり、役所に届け出を出したうえで胎児の埋葬許可証を発行してもらう必要があります。
ただでさえ手術による心身の負担があるにもかかわらず、各種手続きによってより疲弊してしまう可能性があるでしょう。
費用面でも初期中絶手術に比べて高額になるのもデメリットです。
中絶手術のリスク

中絶手術におけるリスクは、精神的なものと身体的なものの2種類に分かれます。
これから中絶手術を受ける予定の方は、2つのリスクを知っておきましょう。
精神的なリスク
中絶手術を受けると、中絶後遺症候群(PAS)を発症するリスクがあります。
中絶後遺症候群は、中絶手術を受けた方の20%程度が発症するとされ、精神的なストレスがかかり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状が現れたものです。
時間の経過によって症状が改善されるケースが多いとされていますが、発症期間中は相当な苦しみが生じ、日常生活に支障が出ます。
対処法としては根本的な原因であるストレスを和らげるために一人で抱え込まずに誰かに相談することです。
手術後に不安や辛い気持ちで苛まれる場合は、信頼できる家族や友人、医療機関の医師などに相談しましょう。
身体的なリスク
中絶手術を受けると腹膜炎や絨毛遺残、感染症や出血といった合併症が起こるリスクがあります。
ただし、腹痛や出血、頭痛などの症状は経過観察で次第に改善することがほとんどです。
また、手術後に異変を感じたタイミングで速やかに医療機関を受診することで悪化を防げます。
医師に相談のうえ、無理することなく薬の処方や検診を受けましょう。
妊娠22週以降の中絶ってどうなるの?対応は?
妊娠22週以降の中絶手術は受けられません。
そのため、出産する以外の選択肢はありません。
万が一、妊娠22週を超えた状態で中絶手術をしてしまうと、対応した医療機関だけでなく患者さん自身も罪に問われます。
「金銭的な事情で育児ができない」「家庭環境に問題があり、赤ちゃんを育てられない」
このような方の場合は、里親制度や特別養子縁組制度などを活用することをおすすめします。
なぜ妊娠22週以降の中絶はできないの?
母体保護法により、中絶ができる期間は「妊娠22週未満」と定められているため、22週以降の中絶手術は認められていません。
妊娠22週を過ぎると、胎児が母体外でも生存できることからこのような基準が設けられています。
以前は妊娠24週未満まで中絶が可能とされていましたが、1991年3月に現行の妊娠22週未満に改定されました。
このように、中絶手術は妊娠週数によって受けられない場合があります。
また、中期中絶は初期中絶よりも母体への負担が大きく、心身ともに影響を受ける可能性があります。
これらのリスクを踏まえ、後悔のない選択をするためにも、中絶を検討している方は速やかに医療機関を受診することが重要です。
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