中絶後の生理が来ない理由とその対処法
中絶手術は遅れるとどうなる?妊娠週数ごとの方法とリスク・22週以降の対応

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
「中絶手術は遅れると体にどんな影響があるの?」
「妊娠週数が進んだ場合、どのような方法で行われるの?」
中絶は妊娠の進行とともに、身体的・精神的負担や費用が増す手術です。本記事では、中絶手術の可能な時期、方法、リスク、妊娠22週以降の対応 についてわかりやすく解説します。
目次
中絶手術とは?
中絶手術は、母体保護法 に基づき、胎児が母体外で生存できない時期に人工的に妊娠を中断する医療行為です。
中絶は個人の事情により選択されますが、受診時期が早いほどリスクは低く、回復も早いとされています。
中絶手術が可能な期間
中絶は妊娠週数により方法が異なります。
初期中絶(妊娠11週6日まで)
- 方法:吸引法(MVAなど) が主流
- 特徴:日帰りで可能、身体的負担・費用ともに少ない
- 相場:約10〜20万円
- 届出:不要
中期中絶(妊娠12週〜21週6日)
- 方法:子宮口を広げ、人工的に陣痛を起こす流産処置
- 特徴:2〜3日の入院が必要、痛みや心身の負担が大きい
- 相場:約40〜60万円(初期の3〜4倍)
- 手続き:死産届の提出、火葬・埋葬が必要
妊娠が進むほど費用もリスクも大きくなるため、早めの判断が重要です。
中絶手術のリスク

中絶には 精神的リスク と 身体的リスク の両方があります。
精神的リスク
- 中絶後遺症候群(PAS):手術後に強い喪失感やPTSD症状が出ることがある(約20%にみられる)
- 時間とともに回復することが多いが、一人で抱え込まず、家族・友人・医師に相談することが大切
身体的リスク
- 腹膜炎・感染症・出血・絨毛遺残など
- 多くは経過観察で改善するが、異常を感じたら早めに医療機関を受診することが重要
身体的なリスク
中絶手術を受けると腹膜炎や絨毛遺残、感染症や出血といった合併症が起こるリスクがあります。
ただし、腹痛や出血、頭痛などの症状は経過観察で次第に改善することがほとんどです。
また、手術後に異変を感じたタイミングで速やかに医療機関を受診することで悪化を防げます。
医師に相談のうえ、無理することなく薬の処方や検診を受けましょう。
妊娠22週以降は中絶できる?
日本では 妊娠22週以降の中絶は禁止 されています。
- 理由:22週以降は胎児が母体外で生存できる可能性があるため
- 1991年に24週未満 → 22週未満 に法改定
もし22週を超えてしまった場合、中絶はできず 出産以外の選択肢はありません。
養育が難しい場合には、以下の制度を検討できます。
- 特別養子縁組制度
- 里親制度
これらを活用することで、赤ちゃんを育てられない家庭状況でも命を守ることが可能です。
後悔しないために大切なこと
- 妊娠に気づいたら できるだけ早く医療機関を受診
- 週数が進むほど身体的・精神的・経済的負担が大きくなる
- 中期中絶では費用や手続きも増えるため、早めの判断が重要
- 不安があれば、信頼できる医師に相談し、納得したうえで決断を
まとめ
- 初期中絶(〜11週6日):費用10〜20万円、日帰り可、負担が少ない
- 中期中絶(12〜21週6日):費用40〜60万円、入院必要、痛みや精神的負担が大きい
- 妊娠22週以降は中絶できない → 出産が唯一の選択肢
- 中絶には精神的リスク(PAS)・身体的リスク(感染症や出血)がある
- 後悔を避けるには、早めの受診と正しい知識が大切
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