初期中絶と中期中絶の違い|妊娠週数・方法・費用・身体への影響を徹底解説

初期中絶 中期中絶
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)

中絶を検討する際、多くの方が迷うのが 「初期中絶と中期中絶は何が違うのか?」 という点です。
中絶は妊娠週数によって方法・費用・身体的負担・必要な手続きが大きく変わります。

この記事では、妊娠週数の数え方、中絶が可能な期間、初期中絶と中期中絶の違い、受診の目安 を解説します。

妊娠週数の数え方

  • 最終月経開始日を「妊娠0週0日」とする
  • 生理が始まった日から6日間を妊娠0週、その翌日からが妊娠1週

「最終月経日がわからない」「周期が不規則」な場合は、医療機関の超音波検査 で週数を確認できます。胎児の頭殿長(CRL)などを計測することで出産予定日も推定可能です。

中絶手術が受けられる期間

日本では 母体保護法 により、中絶できるのは 妊娠22週未満(21週6日まで) と定められています。

  • 22週を超えた場合、中絶はできず、出産以外の選択肢はありません
  • 経済的・家庭的に子育てが困難な場合は、里親制度・特別養子縁組制度 の利用が検討可能です

初期中絶と中期中絶の違い

初期中絶と中期中絶は、妊娠期間や中絶方法、入院の有無や費用などが異なります。
以下の表を踏まえ、それぞれの概要を理解しておきましょう。

初期中絶手術中期中絶手術
妊娠期間妊娠11週6日目まで妊娠12週0日〜21週6日目まで
中絶方法吸引法、ソウハ法人工的に陣痛を起こす
入院の有無日帰り手術のため入院不要2〜3日の入院が必要
手術可能な医療機関母体保護法指定医母体保護法指定医かつ
入院設備を完備した医療機関
費用(目安)10~20万円40~60万円
痛み麻酔によって痛みが抑えられる通常の出産と同様の痛みが伴う
所要時間5〜10分術前処置が必要であり、
1日以上かかる
母体保護法による分類人工妊娠中絶人工死産
届出死産届は不要死産届を区役所へ
提出する必要がある
埋葬不要埋葬許可証を取得のうえ
埋葬が必要

初期中絶の特徴

  • 母体への負担が少ない:吸引法(MVAなど)で行うことが多く、合併症リスクも比較的低い
  • 日帰りで可能:術後は数時間安静にすれば帰宅できる
  • 費用が抑えられる:10〜20万円が相場

中期中絶の特徴

  • 母体への負担が大きい:陣痛誘発を伴い、精神的・身体的ダメージが大きい
  • 入院が必要:通常2〜3日の入院が求められる
  • 費用が高額:40〜60万円程度かかり、初期中絶の3〜4倍
  • 法的手続きが必要:死産届提出・埋葬が義務付けられている

妊娠週数が進むと負担は増える

  • 妊娠週数が進むにつれ 費用・時間・身体への影響が大きくなる
  • 届出や埋葬など精神的負担も増える
  • そのため、中絶を検討している場合は できるだけ早い段階で受診・判断することが重要

受診の目安と手術が可能な条件

  • 生理予定日を 1週間過ぎても月経が来ない場合 に妊娠検査薬を使用
  • 陽性反応が出たら 速やかに産婦人科を受診
  • 手術可能となる条件は以下の通り
    • 妊娠4週以降に妊娠反応がある
    • 胎嚢が確認でき、子宮外妊娠でない
    • 必要書類(同意書など)が揃っている

中絶手術は妊娠5〜6週でも可能ですが、子宮や胎嚢の状態によっては 6〜9週での実施が望ましい場合もあります

まとめ

  • 中絶は 妊娠22週未満まで可能
  • 初期中絶(〜11週6日):費用10〜20万円、日帰り手術可、負担が少ない
  • 中期中絶(12〜21週6日):費用40〜60万円、入院必要、身体・精神的負担が大きい
  • 週数が進むほど費用・手続き・リスクが増すため、早めの受診が大切

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監修医師
赤松 敬之
赤松 敬之
医療法人星敬会 西梅田シティクリニック 理事長
平成25年3月 近畿大学医学部卒業。平成26年4月から済生会茨木病院にて内科、外科全般の研修を行う。平成28年4月より三木山陽病院にて消化器、糖尿病内科を中心に、内視鏡から内科全般にわたり研鑽を積みながら勤務。「何でも診る」をモットーに掲げる病院での勤務の中で、働き世代の忙しい方が通いやすいクリニックを目指し、令和2年9月西梅田シティクリニック開設。
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