Differences In Abortion Surgery

初期・中期の中絶手術の違い

初期中絶とは

初期中絶とは妊娠12週未満での人工妊娠中絶のことを指します。
搔爬（ソウハ）法と吸引法の2種類があり、どちらも麻酔を利用して行います。

掻爬法（ソウハ法）

ソウハ法はスプーンのような形をした鉗子（かんし）と呼ばれる器具で子宮内にある組織を掻き出す方法です。日本では長い間この方法を主流としていました。
感染リスクが低く、胎児や胎盤が摘出されたことを確認できるのが利点とされています。
しかし医師の技術力が非常に重視される手法のため、経験の少ない医師が行うと子宮を傷つけてしまう可能性があります。

吸引法

吸引法はストローのような形をした金属管やプラスチック製のチューブで子宮内にある組織を吸引する方法です。世界保健機関（WHO）は安全性の高さからこの方法を推奨しています。
身体への負担も少なく、比較的早くご帰宅いただけます。
ただし、週数が大きかったり胎児が大きく成長してしまっている場合は吸引できないこともあります。

いずれも手術時間は10分程度で、麻酔を利用するため手術中の痛みはほとんどありません。
また、死産届や埋葬の必要はなく、中期中絶よりも身体への負担が少なく済みます。

初期中絶のリスク

搔爬（ソウハ）法のリスク

鉗子で子宮内の内容物を搔き出す際に、医師の技量が足りなかったり経験が少なかったりすると子宮内を過度に掻いてしまうことで子宮内の壁に傷をつけてしまったり、穴を開けてしまう可能性があります。

吸引法のリスク

うまく吸引できたか確認ができないため、子宮内に胎児や胎盤などの組織が取り残されてしまう可能性があります。

中期中絶とは

中期中絶とは妊娠12週以降、22週未満での人工妊娠中絶のことを指します。
妊娠22週以降はどんな理由があろうと人工妊娠中絶を行うことができません。これは母体保護法によって禁止されているのです。

中期中絶は薬剤によって人工的に陣痛を引き起こし、出産と同じ形式で胎児を体外に出す方法で行います。こちらも麻酔を利用するため痛みはほとんどありません。
中期中絶になると手術前後の入院が必要となり、費用も高額になります。初期中絶と違い死産扱いとなるため、7日以内に役所への死亡届の提出をしたり火葬をする必要があります。

中期中絶のリスク

中期中絶は初期中絶とは全く異なり、精神的・身体的・経済的負担が大幅に大きくなります。
術後、子宮内感染を引き起こすと子宮の壁同士が癒着してしまい、不妊症を引き起こしやすくなるアッシャーマン症候群のリスクが高まります。
また、術後に出血が続くことがあります。

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