妊娠週数別の中絶方法とリスク
中絶手術の前処置は必要?痛み・麻酔・術後リスクを徹底解説

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
妊娠中絶を考える際、「手術の前処置はなぜ必要なの?」「手術は痛いの?」と不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、中絶手術における前処置の目的と必要性、手術で使われる麻酔の種類、術後に起こりうる症状について解説します。正しい知識を持つことで、不安を和らげ、安心して手術に臨むことができます。
目次
中絶手術の前処置(術前処置)とは?
中絶手術の前に、子宮頸管を広げて柔らかくする処置 を行う場合があります。
具体的には、ラミナリア・ダイラパン・ラミセルなどの拡張材を子宮頸管に挿入し、水分を吸収させて膨張させることで子宮の入り口を広げる方法です。
- 妊娠12週以下では、前処置を行い 吸引法(MVA) で手術するのが一般的です。
- 子宮を無理に広げずに済むため、安全性を高める重要なステップといえます。
前処置をしない場合のメリットとリスク
メリット
- 子宮の入り口を広げる痛みが軽減される
- 処置がないため日帰り手術も可能
- 通院回数や時間的負担が少ない
リスク
- 子宮頸管が広がっていないため手術が難しくなる
- 手術中に子宮を傷つけるリスクが増える
当院では、完全無痛の中絶手術を目指し、母体への負担も考え、術前診察(処置)をおこなっております。日帰りでの手術は推奨しておりません。
中絶手術に使われる麻酔の種類

中絶手術では、患者さんの体調や週数に応じて麻酔方法を選択します。
- 局所麻酔:一部分だけ痛みを感じなくする。歯科治療などと同じ原理。
- 静脈麻酔:点滴で投与し、うとうとした状態にする。短時間手術向き。
- ブロック麻酔(腰椎・硬膜外):脊髄の神経をブロックして下半身の痛みを取る。
- 全身麻酔:意識を完全に失わせ、長時間・広範囲の手術に使用。
いずれの場合も、医師が患者さんの状態を見て最適な方法を選択 します。
中絶手術後に起こる可能性がある症状
術後は以下のような症状が起こることがあります。多くは一過性で、適切な対応を行えば大きな問題はありません。
- 痛み:数日〜1週間、生理痛のような痛みが出る
- 吐き気・嘔吐:麻酔や合併症の影響
- めまい・頭痛:麻酔の影響で起こるが、通常は数十分で回復
- 出血:1〜2週間続くことがあり、塊が出る場合もある
- 健忘:麻酔の影響で一時的に記憶が抜けることがある
- PAS(中絶後遺症候群):まれに心理的影響としてPTSDの一種を発症する
中絶手術を受ける前に知っておくべきこと
中絶手術は体に負担がかかるため、術前処置・麻酔・術後リスクについて事前に理解しておくことが大切です。
手術前には医師の説明をしっかり聞き、不明点や不安は遠慮せず質問しましょう。
安全に手術を受けるためには、「知識を持つこと」=「リスクを減らすこと」 に直結します。
まとめ
- 前処置は子宮を安全に広げるために必要
- 前処置なしにはメリットもあるが、リスクも大きい
- 麻酔は局所・静脈・ブロック・全身と複数あり、状況に応じて選択される
- 術後は痛み・吐き気・出血などが起こる場合がある
- 安心して受けるために、必ず医師の説明を受けて理解しておくことが大切
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