中絶手術後のストレスと対策について
中絶手術は心身ともにストレスがかかりやすく、さまざまな症状が起こる場合があります。
場合によっては後遺症が残り、治療を続けなければならなくなるケースもあるでしょう。
本記事では中絶手術後に起こりうる症状について解説します。
手術を受ける前に、起こりうるリスクを理解しておくことは重要です。
ストレスとしっかり向き合い、上手に対処していきましょう。
中絶手術後に現れる可能性がある症状
中絶手術後に現れる可能性がある症状はおもに以下の4つです。
手術を受ける前に把握しておきましょう。
出血
手術後は出血が起こる場合があります。
しかし、ほとんどの方の場合、少量で済むケースが多いでしょう。
1〜2週間程度で出血はおさまります。
一方で、万が一数日経過しても血のかたまりが出たり、2週間以上経過してもおりものに少量の血液が混ざったりする場合は医療機関を受診してください。
痛み
妊娠後に膨らんだ子宮が、手術によって元の大きさに収縮する流れにともない、痛みが生じる場合があります。
普段、生理痛が強い方や子宮形状が強く屈曲している方の場合、収縮痛が起こりやすくなります。
帰宅後、強い痛みを感じる場合は、医療機関から処方された痛み止めを服用してください。
めまい・頭痛
まれに麻酔の効果が高い方にめまいや頭痛が起きるおそれがあります。
手術後30分程度で解消されることがほとんどです。
帰宅後、麻酔の影響でぼんやりしたり、集中できなかったりする状態が続く場合があります。
吐き気・嘔吐
麻酔薬の影響で、ムカムカしたり嘔吐したりするケースがあります。
手術後30分程度で改善する場合がほとんどです。
ひどい場合はPTSDになる方も。PTSDとは
PTSD
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とは、心的外傷後ストレス障害です。
死の危険に直面した際、そのときの記憶が自分の意志とは無関係にフラッシュバックしたり、不安や緊張が高まったりする状態です。
PAS・PASS
PAS(Post Abortion Syndrome)とは、中絶後遺症候群であり、
PASS(Post Abortion Stress Syndrome)は中絶後ストレス症候群を指します。
いずれもPTSDに含まれる障害です。おもな原因は、精神面・肉体面から生じるストレスです。
精神面では、妊娠中絶手術を受ける恐怖や不安、緊張などからストレスを受ける場合があります。また、中絶に対する罪悪感から情緒不安定になるケースもあるでしょう。
精神的に苦しい場合は、一人で抱え込まず、両親や友人などにサポートをしてもらうことが一番です。
医療機関においては、医師や看護師などのスタッフが寄り添ってくれるため、遠慮なく頼ってください。
一方で、14週以降の中期中絶では、子宮頸管を拡張し、陣痛促進剤を投与して陣痛を強制的に起こす必要があるため、ストレスがかかりやすくなるでしょう。
このように、中絶は中期よりも初期段階のほうが負担がかかりにくい特徴があります。
妊娠が発覚した初期の段階で中絶を希望している場合は、早めに手術を受けましょう。
中絶後のPAS・PASSの症状
中絶後のPAS・PASSの症状はおもに以下のとおりです。
過剰反応
おもに睡眠障害をはじめとして、物事に過剰に反応する状態が続きます。
イライラが止まらなくなったり、孤独感に苛まれたりします。
抑圧
中絶したことを忘れようとするあまり、自殺企図や自殺願望などの気持ちが生じ、行動に移そうとするケースがあります。
侵害行為
中絶手術を思い出し、感情が激しく動いてうつ状態になるケースがあります。
とくに手術当時の様子がフラッシュバックする場合があるでしょう。
中絶手術のストレス緩和のためにできること
中絶手術のストレスを緩和するためには、しっかり休養を取ることが大切です。
とくに睡眠時間を十分に取ることは重要です。
手術が終わって数日間は無理のないよう自宅でゆっくり過ごしてください。
食事に関しては、栄養バランスに配慮されたものを食べることをおすすめします。
また、手術後に出血が起きている場合はアルコールの摂取を控えましょう。
中絶手術を決断する患者さんは不安や恐怖を感じる方がほとんどです。
「後遺症が残ったらどうしよう」「赤ちゃんに対して申し訳ない」など、未来が不安になったり、自分を責める気持ちでいっぱいになる場合があります。
中絶手術に対応している医療機関では、そのような方々の心身に関するケアをサポートします。体と心のストレスが和らぐよう、寄り添いながら対応してくれるため、気になることや不安なことがあれば気軽に相談してください。