中絶後の生理が来ない理由とその対処法
妊婦と風しん|先天性風しん症候群のリスクと予防接種の重要性
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
妊娠中に風しんにかかると、胎児が 先天性風しん症候群(CRS: Congenital Rubella Syndrome) を発症するリスクがあります。これは母子ともに大きな影響を及ぼす可能性があるため、正しい知識と予防対策が重要です。
この記事では、風しんの基礎知識、先天性風しん症候群の原因とリスク、治療法の限界、そして最も有効な予防手段であるワクチン接種について解説します。
目次
風しんとは?
風しんは 風しんウイルス によって起こる発疹性の急性感染症です。
- 潜伏期間:約2〜3週間
- 主な症状:発疹、発熱、リンパ節の腫れ
- 感染力:免疫がない集団では、1人から約6人に感染が広がる
子どもが罹患した場合は軽症で済むことが多いものの、まれに脳炎や血小板減少性紫斑などの合併症が起こることがあります。
妊婦が風しんに感染した場合のリスク
妊娠20週までに風しんに感染すると、胎児に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- 妊娠1か月で感染:50%以上の確率で先天性風しん症候群の発症
- 妊娠2か月で感染:約35%の確率
- 以降も週数が進むにつれリスクは低下するものの、20週までは注意が必要
胎児は心臓・耳・目などに障害を持つ可能性があり、結果として妊娠の継続を断念せざるを得ないケースも少なくありません。
先天性風しん症候群の原因と症状
原因
妊娠初期に母親が風しんウイルスに感染すると、胎盤を通じて胎児へ感染が広がります。母体に症状が出なくても、胎児に影響することがあります。
主な症状(3大症状)
- 先天性心疾患
- 難聴
- 白内障
いずれも日常生活や発達に大きな影響を及ぼす可能性があります。
治療法と限界
残念ながら、先天性風しん症候群を根本的に治す方法はありません。
症状に応じた対症療法が行われます。
- 心疾患:自然治癒することもあるが、重症例では外科手術
- 白内障:手術で濁りを除去し、人工水晶体を挿入する場合がある
- 難聴:人工内耳の適用など
発症後の医療的サポートは可能ですが、予防こそが最も重要 です。
風しんを予防するために

ワクチン接種
- 1〜2回の接種で95%以上の人が免疫を獲得
- 2回接種により、1回で免疫がつかなかった人の多くにも抗体ができる
- 免疫が低下している人には追加接種が有効
副反応について
- 1回目接種:発熱(約13%)、発疹(数%)、じんましん(約3%)など
- 2回目接種:局所反応はあるが、全身症状は少ない
- まれに脳炎や脳症の報告があるが、頻度は100〜150万人に1人以下
妊娠中の場合
妊娠中はワクチンを接種できません。流行期には外出や人混みを避け、感染リスクを減らすことが大切です。
出産後・同居家族への対応
- 出産後は早期にワクチン接種を検討
- 妊婦の同居家族で免疫が不十分な場合は抗体検査を受け、不足があれば接種することで妊婦と胎児を守れます。
まとめ
- 妊娠中に風しんにかかると、胎児に 先天性風しん症候群 が発生する可能性がある
- 妊娠初期(特に20週以前)の感染リスクが高く、妊娠1か月では50%以上
- 発症後の根本治療はなく、予防接種が最も有効な手段
- 妊婦は流行期の外出を控え、出産後や家族も含めて免疫を確認することが重要
妊娠を希望する方やそのご家族は、風しん抗体の有無を確認し、必要であれば予防接種を受けること をおすすめします。
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