経口中絶薬って個人で輸入できる?経口中絶薬のメリットとデメリット

「経口中絶薬って個人で入手できるの?」
手術ではない形で中絶を検討している方のなかには、このような疑問をもつ方がいるのではないでしょうか。
また、薬の詳細がわからず、一歩踏み出す勇気がもてない方もいるでしょう。
本記事では、経口中絶薬の概要やメリット・デメリットを解説します。
経口中絶薬が処方される施設は限定されています。
服用を検討する方は、薬の概要を踏まえ、適切な医療機関で処方を受けましょう。
人工妊娠中絶の種類
人工妊娠中絶の種類

人工妊娠中絶の種類としては、外科の場合、掻爬(そうは)法や吸引法が挙げられます。
掻爬法
掻爬法は専用の器具を子宮内に直接挿入し、胎児や胎盤などの内容物を掻き出し、妊娠中絶を実施する手法です。
衛生管理がしやすく、子宮の状態が把握しやすいのが特徴です。
一方で、専用器具を挿入する際に痛みが出てしまい、子宮内を傷つけるリスクがあります。
吸引法
吸引法は、子宮内に吸引機を挿入し、胎児や胎盤などの子宮内容物を吸引し、妊娠中絶を実施する手法です。
掻爬法と比較すると負担が少ないとされ、身体的ダメージが抑えやすいのが特徴です。
近年では、使い捨て器具を用いることで衛生管理がしやすくなるMVA式(手動吸引法)が注目されています。
内服薬処置
上記以外では、内服薬処置をする方法があります。
WHO(世界保健機関)も安全性を認めており、中絶方法として推奨しているのが特徴です。
経口中絶薬とは
経口中絶薬とは、中絶に有効な作用を有した薬です。
海外では、30年以上前から普及しており、日本では令和5年4月に厚生労働省が経口中絶薬「メフィーゴパック」の承認手続きを実施する旨を発表しました。
一般名は「ミフェプリストン錠」「ミソプロストール錠」であり、2種類の錠剤を服用することで、妊娠中絶効果が期待できます。
医薬品として、医師の指示のもとでしか処方されない薬であるため、インターネットや薬局では購入できません。
経口中絶薬の服用手順は、以下のとおりです。
- ミフェプリストン錠を1錠服用する
- 36〜48時間待機する
- ミソプロストール錠4錠を30分間で口内の粘膜から吸収する
妊娠中絶の内服薬による治療を受ける方は、原則として2回以上医師の診察を受けるか、入院が必要です。
中絶処置が終了するまでは院内で待機し、経過観察が必要であるため、入院設備のある医療機関だけが経口中絶薬の処方を認められています。
経口中絶薬の費用は、約5万円です。
妊娠中絶を受ける前の検査や入院費用などを踏まえると、数万円〜数十万円が発生するとされています。
経口中絶薬のメリットとデメリット

経口中絶薬のメリット
経口中絶薬のメリットは、体の負担が軽減しやすい点です。
痛みをともなう施術をせずに妊娠が中断できるため、心身にダメージを受けにくくなります。
また、外科処置と比べると、安価に済むケースがあるのも特徴です。
とはいえ、クリニックによって価格は異なるため、一概にはいえません。
経口中絶薬のデメリット
経口中絶薬のデメリットは、妊娠9週以上は服用できない点です。
以下の副作用が起こる可能性を把握しておく必要があります。
- 腹痛
- 下痢
- 吐き気
- 頭痛
- めまい
- 腟からの出血
とくに、腟からの出血は多量になることがあり、外科的な処置が必要になる場合もあります。
また、中絶完了までに2〜3日程度かかる点や外科処置と比較した場合に失敗率が高い点も難点です。
経口中絶薬はどこで処方してもらえる?
経口中絶薬は、以下の条件を満たす医療機関のみで処方してもらえます。
- 入院可能な設備を有した施設
- 母体保護法指定医が在籍している施設
- ラインファーマ社への登録を実施している施設
上記に合致する医療機関であれば、経口中絶薬による妊娠中絶が可能です。
母体保護法指定医とは、都道府県医師会の審査委員会によって認定された医師です。
技術や人格、設備の観点から審査を受け、現在7,500名程度が承認を受けているとされています。
今後、経口中絶薬を活用した人工妊娠中絶処置が可能になる医療機関が増加していくでしょう。
経口中絶薬の個人輸入は法律違反になってしまうかも

現在、国内では、経口中絶薬メフィーゴパックが承認されています。
しかし、医師の管理下にある場合でなければ処方されず、市販や個人輸入による服用は認められません。
2004年以前は、法整備が整っていなかったため、少量限定で諸外国から経口中絶薬を個人輸入することが認められていました。
しかし、これによって健康被害が報告されて以来、厚生労働省は医師が関与しない場合の個人輸入を禁止しています。
日本の刑法では、一般人が堕胎行為(だたいこうい:胎児を人為的に流産させる行為)をすると、堕胎罪として1年以下の懲役が課される可能性があります。
くれぐれも、自己判断で個人輸入品を服用しないようにしましょう。
経口中絶薬の服用を検討している方は、クリニックを受診し、医師に相談のうえ決断してください。
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