中絶後の生理が来ない理由とその対処法
SRHRとは?性と生殖の健康と権利|日本の現状・課題と中絶や避妊の自己決定権
赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
「SRHR」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
SRHRは Sexual and Reproductive Health and Rights(性と生殖に関する健康と権利) の略語で、性や妊娠・出産に関して自らの意思で選択し、心身ともに健康でいられる権利を意味します。
本記事では、SRHRの定義や成り立ち、日本での遅れと課題、中絶や避妊における自己決定権について解説します。
目次
SRHRとは?いつから提唱されたのか
SRHRは1994年のカイロ人口開発会議で提唱され、2015年に国連のSDGs(持続可能な開発目標)の一部として国際的に広く認識されました。
SRHRは以下4つの要素を含みます。
- セクシュアル・ヘルス:性に関して心身ともに満たされている状態
- リプロダクティブ・ヘルス:妊娠・出産に関心の有無にかかわらず健康な状態
- セクシュアル・ライツ:性のあり方やパートナーシップを自分で選択できる権利
- リプロダクティブ・ライツ:妊娠・出産や子どもの数・時期を自分で決める権利
つまりSRHRは「性と生殖に関する健康」と「自己決定権」を包括した考え方です。
日本におけるSRHRの現状と歴史
日本の主な流れ
- 1989年:合計特殊出生率1.57に低下、少子化対策が注目される
- 1996年:優生保護法廃止、母体保護法に改正(優生思想を排除)
- 2000年:男女共同参画基本計画にてSRHRを女性の人権の一つと位置づけ
- 2003年:一部政治家による性教育批判、教育現場でタブー視される風潮強まる
- 2020年:緊急避妊薬の処方箋なし入手を求める署名が10万筆以上集まる
日本は概念としては導入が進んだものの、性教育や避妊手段へのアクセス改善は諸外国に比べて遅れています。
SRHRを妨げてきた要因
- 「女性は子どもを産むべき」「中絶は許されない」といった固定観念
- ピル服用に対する偏見(ふしだらと見なすなど)
- 性的少数者への差別や偏見
- 過去の強制不妊手術や差別的政策の影響
これらにより、日本では包括的な性教育や避妊・中絶への理解と環境整備が不十分でした。
中絶は女性にとっての一つの選択肢

中絶は「望まない妊娠をしないための最善の手段」ではなく、「妊娠後に選べる選択肢の一つ」です。
- 妊娠22週未満(21週6日まで)は母体保護法のもとで中絶が可能
- 初期中絶は日帰り手術が可能だが、中期中絶は入院・費用・身体負担が大きい
- 中絶は「人生を自分らしく生きるための自己決定」であり、非難されるものではない
ただし、中絶は身体的・精神的な負担を伴うため、正しい避妊知識の普及が不可欠です。
望まない妊娠を避けるための手段
- コンドーム:性感染症予防も可能で入手しやすい
- 低用量ピル:毎日の服用で高い避妊効果
- IUD/IUS(子宮内避妊具):数年単位で効果が持続
- 緊急避妊薬(アフターピル):避妊失敗時に有効
これらを正しく理解し、自分やパートナーと合意のうえで選択することが重要です。
今後の展望と課題
- 包括的性教育の普及:学校や地域で正しい知識を学ぶ機会を増やす
- 避妊・中絶へのアクセス改善:薬局での緊急避妊薬販売や避妊具の普及
- 差別の解消:性や生殖に関する偏見をなくし、多様性を尊重する社会へ
- 若者への支援:ユースクリニックなど相談しやすい環境の整備
SRHRの実現には、政府・医療・教育・市民社会の協力が欠かせません。
まとめ
- SRHRとは 性と生殖に関する健康と権利を守る概念
- 日本では制度的改善はあるが、性教育や避妊アクセスは遅れがち
- 中絶は女性の人生における正当な選択肢の一つ
- 望まない妊娠を避けるためには避妊手段の普及と理解が不可欠
- 今後は教育・政策・社会の連携によって、自己決定を尊重する社会を築く必要がある
参考文献
- セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)とは | SRHRのアドボカシー | 知る 国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)
- ジョイセフとは 国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)
- 日本が遅れているSRHRとは 女性が出産や性生活を自己決定する権利 安全な中絶・避妊方法が必要です 東京すくすく
- SRHRとは SRHR Initiative(研究会)SRHR Initiative(研究会)
LINEでのご相談

監修医師

