中絶後の生理が来ない理由とその対処法
40代の予期せぬ妊娠と中絶|リスク・手術の実際・支援制度・年代別避妊まで総まとめ

赤松 敬之(あかまつ たかゆき)
40代でも排卵が続く限り妊娠は起こり得ます。更年期症状と紛らわしく妊娠に気づくのが遅れやすいため、対応できる選択肢が狭まることも。ここでは、40代妊娠の特徴と中絶の流れ・負担、術後のケア、活用できる支援、年代に合った避妊までを簡潔に整理します。
目次
40代妊娠の特徴とリスク
- 流産・早産リスクの上昇、妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病などの合併症が増えやすい。
- 更年期様の不調と誤認し受診が遅れやすい。出血の変化・基礎体温の上昇・乳房張りなど「いつもと違う」サインは早めに確認を。
- 望まない妊娠の背景には、「閉経が近い=妊娠しない」誤解や避妊の中断が関与。
中絶が身体に与える影響(初期/中期)
- 初期中絶(〜11週6日):吸引法(MVA/EVA)や掻爬。手術は5〜10分、日帰り可。静脈麻酔中は痛みが最小化されるが、術後に生理痛様の痛み・少量出血は起こり得る。
- 中期中絶(12〜21週6日):薬剤で子宮収縮を誘発し分娩に近い方法。入院が必要で、出血・疼痛・感染など負担が増す。死産届・火葬/埋葬などの手続きも追加。
- 子宮内膜への反復刺激は将来妊娠への影響を残す可能性があるため、低侵襲の術式選択(吸引法)と適切な術後管理が重要。
- 法律上、中絶は妊娠22週未満(21週6日まで)が原則。迷ったらまず受診を。
手術前後の体調管理と心のケア
- 採血・感染症検査、必要に応じ基礎疾患の内科連携。服薬中の薬は必ず申告。
術後(数日〜1週間) - 軽い下腹部痛・少量出血は一般的。発熱・悪臭を伴うおりもの・持続する腹痛は受診の目安。
- 入浴はシャワー、性交渉・タンポンは医師の許可が出るまで回避。
心のケア - 喪失感・罪悪感・不眠などは自然な反応。長引く苦痛はカウンセリングや相談窓口の活用を。院内で心理サポートを提供する施設も。
医療・制度を上手に使う

- 中絶は原則自費だが、稽留流産や母体に重大な危険がある場合は保険適用の可能性。
- 出産育児一時金(12週以降):中期中絶も対象。直接支払制度の可否を事前確認。
- 経済的困難があれば、自治体の相談窓口・医療ローン・分割払い等を医療機関に相談。
- 働いている方は母性健康管理指導事項連絡カードで勤務配慮を受けられることがある。
- いずれも早期相談が鍵。
40代に合った避妊:再発予防は医療的に
- IUS(ミレーナ等)/IUD:長期持続、飲み忘れなし。月経量減少の付加効果。
- 低用量ピル:避妊+月経痛・PMSの緩和。ただし40代は血栓症リスク評価が必須。喫煙・片頭痛・高血圧・肥満などは医師と要相談。
- コンドーム:性感染症予防の基本。他法との併用で失敗リスク低減。
- 緊急避妊薬(レボノルゲストレル):性行為後72時間以内。早いほど有効。
→ 年齢・基礎疾患・ライフスタイルを総合評価し、医師と一緒に“続けられる方法”を選択。
情報と支援を味方に、納得のいく選択を
- 40代の予期せぬ妊娠は、身体的・心理的・社会的課題が重なりやすい。
- 「もう遅い」は誤り。受診・相談が早いほど選択肢は広い。
- 最終月経日が不明でも超音波で週数確定は可能。妊娠の可能性を感じたら早めに検査と受診を。
- どの選択でも、あなたの自己決定が尊重されることが最優先。医療者はその伴走者です。
まとめ
- 40代でも妊娠は起こり得る。気づきの遅れ=選択肢減少に直結。
- 初期と中期で方法・負担・手続きが大きく異なる。22週未満が原則。
- 体だけでなく心のケア、そして避妊の再設計までをワンセットで。
- 支援制度・相談窓口・勤務調整など、使える資源は遠慮なく活用を。
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